
そして迎えたイベント当日。
心配していた天気も快晴で、風もなく、絶好のイベント日和。
雨天時、もしくは参加者が体調悪くした時用に借りていた幼稚園跡地に集合し、ランチを食べながらミーティング。その後、荷物や機材を運び込み、設営がスタート。案の定、砂に足を取られて難儀する。
観光客やお客さんが延長コードに引っかからないよう、砂を掘ってコードを埋める。
ヨシダアサオくんの「音のワークショップ」。
砂丘に出現してしまった石ころを集め、缶に入れて楽器を作るというもの。
楽器を作ることが砂浜の保全につながっている。ただ、会場前に先日の台風で生まれた池があり、子どもたちが水遊びに夢中になるというハプニング(?)も。
ホシノマサハルさんの「造形のワークショップ」
中田島砂丘の砂を使って砂プリンを作る。
TEN-TO主宰・木工作家の柏原崇之さんによる流木を使ったやじろべえ。
他にも、書家さんやウエダトモミさんによるワークショップも。
日が暮れ始める頃から、OHPを使ったら仙石彬人さんによる「光のワークショップ」と「ライブパフォーマンス」がスタート。
枠組を提示することで無間の遊び場になる
どのワークショップも簡単なルールというか、設定を設けただけで、漠とした砂丘が広大な遊び場に変容したことに、ただただ驚かされます。こんな視点で遊んでみたら?に乗っかった子どもたちや大人たちが遊びに没頭していきます。数時間後には、砂丘にさまざまな痕跡が残されていました。
「中田島砂丘を守ろう!」、「中田島砂丘って素敵でしょ」と叫ぶ前傾姿勢なアプローチとは違って、遊びという手法をとることで参加した人たちには中田島砂丘は楽しい場所という読後感がしっかりと残ったのではないでしょうか。
(もちろん、単なる遊びではなく、気づかれにくいけど、その裏にはしっかりとした考えやメッセージが隠れているし、そこに立脚している)
防潮堤ができていろいろとややこしくなってしまった中田島砂丘だけど、今回のイベントが潜在化した価値、みんなが気づかなかった価値を、アートやワークショップによって、少しでも顕在化し、共感してもらえたのであれば、「椅子と惑星」というワートイベントを開催した意味があるというものです。
来年も、きっとすると思います。
そして、見失いがちな、小さな価値をしっかり伝えていきたいなと思うのでした。
参加してくださった方、アーティスとのみなさん、ありがとうございました!