写真と、企み

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読書『マイパブリックとグランドレベル』

2018年2月26日

先日、図書館で借りた『マイパブリックとグランドレベル』という本が面白かったのでご紹介。
まず、タイトルからワクワクさせられます。

パブリック(公共)というと、「世の中」とか、「みんなのもの」な意味があるけれど、どちらかといえば「行政」「お上」というニュアンスで理解する人が多いような気がします。「まちづくり」というとこれまで行政が整備するものという考え方だったけれど、「リノベーションスクール」のように、市民が参加して、自らまちに働きかける事例も多く見られるようになりました。とは言え、そんなふうに提案できる人は少ない訳で、その方法のひとつがこの本で提案している「マイパブリック」。

「マイパブリック」とは著者である建築コミュニケーター/ライターの田中さんの造語で、“自分でつくる公共”のこと。プライベートな自分と世の中(パブリック)をつなぐ扉みたいなもの。どんな扉をもうけるかは人それぞれで、田中さんはパーソナル屋台を始めたエピソードが紹介されています。他にも、家の前にベンチを置いたり、家に街灯を付けてみたりと、さまざまなアイデアが紹介。とにかく、自分の好きなことから、世の中との接点を設ければOK。家の中で飲んでいたコーヒーを家の軒先に移して、通行人に振る舞うのもいいと思います。これならなんだかできそう。

まちづくりは個人で始められる

本の後半は、1階のあり方を考える「グランドレベル」編。個人商店がなくなり、住人も使うか分からない豪華なロビーのある大きなマンションが建つなど、日本の1階がどんどんつまんなくなっていくことを憂う田中さん。1階はパブリックとプライベートの接点だから、そこが活性化するとまちはもっと面白くなると指摘。「1階づくりはまちづくり」を合い言葉に、グランドレベルを豊かにする世界の事例やアイデアが紹介されていて、見ているだけでワクワクしてきます。

歩道にベンチを置くだけで人の滞留が生まれ、視線の先にあるお店の売り上げに貢献した、というのは気になる事例でした。他にも、遊休地を私設公園にしようというアイデアもあって、まさに耕作放棄地でしようとしていることと重なって、興奮を覚えました。

個人でまちの開発は無理だけど、ひとり一人の行動がまちを面白くする可能性があること、この本は教えてくれます。
行政マンは必読の本だと思いますよ。

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About

大杉晃弘(コピーライター)/1975年、静岡県浜松市生まれ。結婚情報誌、住宅情報誌の制作ディレクター/コピーライターとして、企業の販促活動をサポート。2011年「写真と、企み」設立後、2013年、浜松へUターン。編集的視点、事象の裏側にあるストーリーを大切に広告制作(企画、コピー、写真撮影)を行う。また、活版印刷工として、活版印刷やワークショップも実施。町の編集室&印刷工房をつくるため画策中。 詳細はこちら

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