
我が家は子どもが寝る前に本を読むのだけれど、最近のヒット作は、ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』。
ストーリーは単純で、テーブルの上に置かれたりんごは、もしかしたら、りんごじゃないのかしれないと、あれこれ妄想するというもの。
例えば、このりんごは大きなさくらんぼの一部かもとか、中は機械が詰まっているのかもとか、育てたら大きな家になるかもとか、本当はポストになりたかったのになれなかったのかもとか、ユーモラスなイラストともに、自由な妄想が炸裂。りんごひとつから、ここまでりんごじゃないものを発想できる頭の柔らかさに嫉妬を覚えるくらい。
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で、これを読んでいて思い出したのが、リクルートで『とらばーゆ』や『じゃらん』、『ABROAD』、『ゼクシィ』など、14の情報誌を手がけ、ミスター創刊男と呼ばれた倉田学さんに教わった発想力の鍛え方「じゃないゲーム」。内容は、あるお題を出して、本来の機能とは違う使い方を考えてみようというもの。
例えば、イスがお題としたら、「座る」以外の使い方を考えてみようとなります。
専門学校の授業でもしてみたけど、足を乗せるとか、イスの背に上着をかけるとか、普段している使い方が出てきたり、イスを反対にして寝っ転がってストレッチに使うとか、イスをどれくらい高く積めるゲームをするとか、ユニークなものも上がってきました。アイデアレベルだから、間違いは無くて、自由な発想で使い方を考えるのがミソ。
脳みそのエクササイズだけでなく、お客さんの商品やサービスにも有効で、差別化しにくくなった商品に、新しい価値を見つけるヒントが見つかるかも。実際に「イスを積む」はアート作品もあるし、おもちゃとしても販売されています。
複眼的にモノを見られることは、とても大切なことで、そんな視点を子どもと一緒に養うのにぴったりな絵本だし、「お箸のお箸じゃない使い方」とか一緒にはじめてみるのもいいかもしれません。