
化石掘りのイベントに当選したのもあって、
遅ればせながら「ふじのくに地球環境史ミュージアム」に行ってきました。
こちらは静岡県立の、いわゆる自然史博物館。
「百年後の静岡が豊かであるために」をコンセプトに、
これからの豊かさの形を探求する、を標榜しています。
閉校した高校を再利用しているので、各展示室が教室というのが面白い。
什器が机や椅子だったり、解説版に黒板を使っていたり、展示方法がユニーク。
全般的にとてもよい博物館。
特に上手いなーと思ったのが、展示室5「ふじのくにの環境史」。
これまでの人の歴史と自然の関係性を紹介する内容で、
縄文時代には「自然を畏れ 寄り添う時代 森に生かされ 森と生きる」というコピーとともに、
天秤の両端にはそれぞれ人の営みと、森の様子のジオラマが乗っているというもの。
最初はつり合いの取れていた関係も、稲作が始まった弥生時代になると少し人間側に傾き、
江戸を経て現代になると人間側に大きく傾く。
現代のコピーは、「自然を変えて 支配する時代 森を忘れて 豊かに生きる」
良い悪いは置いておいて、人間と自然の関係が一目で分かる展示に脱帽。
情報をどのように伝えるかと言うのが、圧倒的にうまい。
そんな感じで、全般にわたって編集とデザインが効果的で、興味の持たせ方、理解のさせ方が上手。
キッズスペースや、駿河湾や南アルプスを望む図書カフェは無料。
近所だったら、散歩がてら毎日のように行ってもいいくらい、素敵な場所でした。
民度の高い施設が多い静岡市がうらやましい。
なにより、伝え方、見せ方、考えるきっかけを与え
編集とデザインの力を感じられる、よい博物館でした。