趣味やおもちゃなど、自分の興味の対象外にあるものには、なかなか関心を示せないもの。
だから企業はあの手この手を使って、自社商品やサービスに関心を持ってもらえるよう広告を打ったりしています。
先日、『じぞうぼん』なる本を購入しました。地蔵部の面々が、浜松界隈のお地蔵さんを訪ね歩くという内容。人にそのまま伝えても、「ふーん」となることは容易に想像がつくくらい、マニアックな趣味。でも、この本がとても素晴らしい仕上がりで、もう地蔵部に入りたくなるくらい。
興味のひかせ方はいろいろあるけれど、この本の場合は「編集力」と「デザイン力」がすごい。浜松が誇るイラストレーターの友野さんによる、お地蔵さんを巡る珍道中イラストがキャッチーで引き込まれるし、ウエダトモミさんによるマップやイラスト、デザインもポップで地蔵巡りというちょっとこわそうな雰囲気を楽しいものに変えてくれる。もちろん、全体にながれる緩い雰囲気や、お地蔵さん巡りを楽しむ要素が散りばめられた構成も秀逸。
この本の前に2冊作られていて、そちらは写真と文がメインのまじめな内容だったと記憶しています。同じ活動なのに、伝え方や見せ方を変えるだけで、これだけ魅力的になる好例だと思います。編集やデザインは、ただ単に体裁を整えるものでなく、コミュニケーションのツールだと改めて理解できるデザイン関係者必携の一冊です。
『じぞうぼん』500円は、黒板とキッチンで購入できます。